気持ちのメモ帳

何故その作品を面白く感じたのか、日々考えた事を忘れないためのブログ。基本ネタバレなのでご注意を…考察はありません、全て妄想です。断言してる表現があったとしても、私は私が考えた事が必ず正しいとは思っていません。

映画『デッドデッドデーモンズデデデデストラクション前編』感想 人類みな謙虚たれ

※ネタバレ注意です、視聴済の方向け

 

PVの時点で面白そうな雰囲気が凄く、ネタバレが怖かった(いやもう原作は何年も前に出てるのだけど…)ので、3/24、仕事帰りに観てきました…!!

 

 

いやもうやっぱり傑作じゃない!?!?

 

いやまだ5月の後編が公開されていないので何とも言えないけれど…

 

前半は『おんたん』と『門出』を中心とした女子高生の日常、でも空には円盤、この作品何が良いって、次のシーンではぜーーーんぶぶッ壊れてるんじゃないかっていう不安定な感じ、空気がずっと漂ってる。

何が起こるか分からない、予測が難しくて、続きが観たいけど怖い、何でもなさそうなシーンもとてもハラハラしちゃって。

死が身近に感じる世界で、性を感じさせる描写をちょいちょい入れるのもいい。

 

でまたその不安定さを『おんたん』のキャラクター性と実存感を感じさせる『門出』が助長させているのだけど、声をやっている『幾田りらさん』と『あのちゃん』の演技がすっっっっっっごくマッチしていて刺さる刺さる!

 

今芸能界の最前線突っ走ってるお二人なので、「主題歌歌わせるためでしょ?」とか、「一般客を呼ぶためなんじゃない?」みたいな想像をしちゃう方もいるんじゃないかなぁと思うのだけれど(少なくとも私はPV観るまで思ってた…本当にすみません)、もう全然、観た後ではあのお二人以外考えられません。

特に『あのちゃん』に関しては当て書きなんじゃないかと思うレベル。

 

アニメの俳優さんの演技で印象に残ってるのは『アイの歌声を聴かせて』の『土屋太鳳さん』だけれど、なんかああいう、上手く言えないけど、不安定さというか作られてない感じって、きっと声優さんじゃ出しづらいだろうから、作品に刺さるようなこういう起用は凄く良いなぁって。

俳優だけ、声優だけ、みたいな壁なくなればいいなぁって個人的には思います。

 

話脱線しちゃった気がする…少し戻して。

 

この作品は平行世界系なのか、ループモノなのかまだわからないけれど

描写から考えると、分岐点は円盤を見た日に『おんたん』が『門出』を助けられるかどうか

宇宙人が内気な『おんたん』にハイになれる薬を渡していたけれど、あれを使うタイミングが分岐になっていそう。

 

たぶんこの作品の核になるのは、おんたん兄『中川ひろし』の「守ると決めるのは1人でいい」という感じの台詞、めっちゃうろ覚え(笑)

 

というか中川ひろしは核心的な台詞だらけ。

 

この作品全体通して「人類みな謙虚たれ」ってメッセージをめちゃくちゃ感じて。

 

大きな力を持った門出が人を救おうとして人殺しになってしまったり、自衛隊は日本やそれを守る任務という大義のために市民が犠牲になったり、現状攻撃意思のない宇宙人を皆殺しにしてたり、空なんてほんとは飛べるわけないのにね…

 

イソベヤン(in宇宙人)の「なんで自分の正義が正しいと思うんだ?」という台詞や、これもまた中川ひろしが「一番恐ろしいのは悪意のない人間」というのがあったけれど

現状人類側は大きな物を守るためなら、ある程度の犠牲や殺害は許容していて、でもそれで身近な多くの物を失ってる。

コミュニケーションは取らないスタイル〜。

 

この作品の大きな謎は、何で宇宙人が地球に来たのか、何故何もしないのか、この2つだと思うのだけれど

 

後者に関して、宇宙人が飛来して数年間偵察だけしていたのも、どういう理屈で地球側が動いてるのを観察していたのであれば(仮)、自衛隊が家族を守ろうとしてるような宇宙人を容赦なく殺していたけれど、相手もこの理屈で動いてくるとなると、ラストの「人類滅亡まであと半年」というのも納得が行く。

 

それぞれが自分の正義のために力を持っていると勘違いして、広いようで狭くなってしまった視野のせいで人類が滅亡していく話なのかなぁと、前編観ている段階での妄想。

人類みな謙虚たれ、なぜあんな巨大母艦に挑んでしまったのか…

 

門出とおんたんの中学生時代にデーモンズというグループで清掃活動や人助けをしていたけれど、結果的にその活動は人殺しに繋がったわけで、この辺も上と同じ文脈、タイトルのデーモンズデストラクション部分はここから来てるって認識でいいのかな。

 

デーモンズは名前に反して社会貢献、でも最後は名前通りの事になってしまったと、皮肉がきいてる感じで好き。

 

社会貢献出来る、宇宙人を倒せる、世界を救える、大きな力を持っていると勘違いすると、もっと大切なものを失ってく。

 

学生時代は優秀だった中川ひろしが自分を凡人のクズだと認識してて、今はネットで正義振りかざして攻撃している人に粘着するニート

確かにやっている事はクズだけれど、自問自答は辞めずに、第三者視点で自分と向き合えててすごく良いキャラ

だからこそ、無力感が拭えずにニートになってしまったのかもしれないけど…ネタキャラに見えてめちゃくちゃ作品を象徴してるなぁと。

 

過剰な自信は結果的に大切なモノを失うきっかけになってしまう。

 

中川ひろし「もし何かが起きた時、俺たち凡人は受け入れるしかないんだ、その時、最後まで希望を失わないためにはどうしたらいいと思う?」

 

視点は等身大で、守るものは1つでいい。

 

だからこそ、門出とおんたんは、絶対なのだ!!

 

ぶっ飛んでいるように見える作品なのだけど、ピースを当てはめていくと全てがっちしていて、また女子高生2人の関係と世界の動向が対比で描かれるようなセカイ系って設定自体が、この世界の答えになっている(かどうかはまだわからないけど…)というか、上手く言えないのだけど…

まだ前半だけど、この構成力と世界観で後半つまらなくなるわけなくない!?!?という感じ。

 

後半の公開が2か月後って微妙に遠いのが難点…(笑)

 

まだ自分の中で消化しきれてないからグダグダだけど、自分の中でまとめるために書き殴り、近いうちに2回目も行くぞ~!出来れば直前にも追加で観たいけど…!

 

頭にネタバレ注意したので観てない人はいないと思うけど、好きな人にはめちゃくちゃ刺さる作品だと思うので、PV観て気になった人は是非!!

 

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