気持ちのメモ帳

何故その作品を面白く感じたのか、日々考えた事を忘れないためのブログ。基本ネタバレなのでご注意を…考察はありません、全て妄想です。断言してる表現があったとしても、私は私が考えた事が必ず正しいとは思っていません。

今季の恋愛モノに進化を感じた話 『君は放課後インソムニア』『僕の心のヤバいやつ』

 

恋愛モノの醍醐味の1つである付き合うまでのドキドキ感というか、駆け引きというか、連載モノである程度長くやっていかないといけないって中で、これを如何に継続するかっていうのが、素人考えで申し訳ないです、あると思うのです

 

その答えの1つがニセコイとか、インフィニットストラトスとか、僕は友達が少ないとかに出てくる『鈍感系主人公』だと思うんですけど

これってあまり長期間続いていると「いつまで同じ事繰り返しとんじゃー!」となるし、そもそも現実はそんなに察し悪くなくない?と主人公に感情移入し辛い

その結果ヒロインが増えたり、敵が増えたり、感情移入の対象が主人公でなくヒロインになったり

作品の感想を話す時にヒロインの話から始まってしまう感じ、それが悪いというわけではないんだけど(上に上げた作品は全て大好きなので)

 

そんな中で『君は放課後インソムニア』と『僕の心のヤバイやつ』、この2作品ってメインヒロインと主人公がお互い「両想いじゃね?」ってなんとなく察した上で告白までいかずに進んでいくんですけど、この過程がとても納得出来るんです

 

『君は放課後インソムニア』は、主人公『中見丸太』とヒロインの『曲伊咲』が、不眠症っていう同じ悩みを通して惹かれ合っていく様が描かれていくんですけど、またこれが描写から設定から凄く丁寧でいいんですよね

今まで理解されなかった悩みを持つ者同士が出会い、それが2人だけの空間、夜に出会う事で辛いだけの時間だったものが特別になっていくという

 

中見丸太は子供の頃、お母さんが深夜に突然家を出て行ってしまった事が不眠症の大きな要因になっていて、中見自身何が要因でそんな事になったのか現状分からないという中で、8話にあった台詞

いつも順調に進んでいると思う時ほど…最後に台無しになる…俺…いつもこうなんだ…

恐らくあの描き方だと他にも色々あったのだろうと思う、成功体験が極端に少ない事で、自分に自信が持てない、どれだけ努力しても報われない、そういった考えがある

 

なので根底には誰かと親しくなる事、何かに対しての努力とか、そういったものに恐怖感というか諦めがあると思うのだけど(だからたぶん友達も少ない…)、だからこそ、その裏で誰かの必要な存在になりたい、期待に応えたいっていう気持ちが出てくる

 

天文部に顔を出すようになったのも、曲伊咲の

私、中見がいないとさ、眠れないから

という台詞からですし、部活を復活させたのも2人の居場所を守るため、深夜にラジオをする回も伊咲が途中で寝た事にめちゃくちゃ喜んだり

中見の原動力にはいつだって曲伊咲がいるわけです

でも、それと同時に母親がいなくなった恐怖感があるからあと一歩が踏み出せない

お互い支え合っているからこそ、踏みだせないわけです

 

曲伊咲についても色々あるのですが…力尽きたので割愛…

心理描写がめちゃくちゃ丁寧で、もう、なんというか、納得せざるを得ないわけです

ここから全体通して、曲伊咲が中見の分厚い壁を突破していく様が描かれていくわけなんだけれども、まぁ~~~~~~~~~~~~〜エモい!!

 

前述したインソムニアに比べたら、『僕の心のヤバいやつ』のヒロイン『山田杏奈』ってすっごい二次元キャラっぽい、こんな女の子いないよ!っていう感じなんですけど、でも、この作品に関しては逆にそれが実存感の補強になってるんです

 

私も学生の頃に患ってた厨二病って、自信のなさとか、自分は特別なんだと思いたい、あのキャラクターのようになりたい、人とのズレを感じてしまった時に、僕は人と違うからこれでいいんだと安心感を得たい、そういう所から来ると思うんです、少なくとも私はそうでした

そんな厨二病を患ってる主人公の市川

人と違う事で自分を安心させたいから、教室の中で自殺の本とか読んじゃうし、片目隠したり、なかなか痛い子なんだけど

メインヒロインである同じクラスの山田杏奈は、身長高くて、スタイル良くて、美少女で、モデルやってて、中学生でそんなだから当然モテるわけで

それなのに食いしんぼうで、マイペースで、別け隔てなくて、凄くギャップのある子なわけです

そんなところに、自分に自信がないけどそれを厨二病っていう仮面で隠してる市川は「あれ、山田ってもしかして自分と同じズレてる人なのかも…」と似た匂いを感じたり、「ああいう上位カーストに俺は見下されてるんだ…」って偏見がぶち壊れて惹かれていくわけなんですけど

 

そこでさっき話した「そんな女の子いないわ!」っていう山田の感じが市川の厨二病と凄くマッチしてて、それが実存感に変換されていくんですよね

 

そんな2人は話を通して惹かれ合っていくわけなんですけど、山田は山田でたぶん今まで自分から話かけられるよりも、周りから声かけられることの方が多かっただろうから、なかなか自分から一歩踏み込むっていうのが難しい、というかやり方が分からないのだろうし

市川は市川で「山田って脈アリじゃね?」って思う事はあっても、根底にあるのが自分への自信のなさだから、「勘違いだったらどうしよう…」というのが先に来てしまって一歩踏み出せない

市川に関しては今まで人と違うという自意識の中で自分を安心させていたから、逆にそれが「こんな自分は受け入れてもらえるのだろうか…」という足枷にもなってしまって

 

そんな2人のラブコメだから、まぁ〜もどかしい!!(笑)

もう!もう両想いって分かってるじゃん!!いっちゃえよ!!とは思うんだけど、いや2人の気持ちを考えると厳しいよなぁ…とも思うこのジレンマ

 

2作品とも感情移入の対象がしっかり主人公で、告白しなくともそこに至るまでの背景がしっかりしてる(描かれなくともそう感じる描写がある)から、妙に納得してしまうこの感じ

 

恋愛作品の進化をめちゃめちゃ感じました

 

私自身最先端を追っているわけじゃないですし、2作品ともアニメ化までの期間があったわけだから、少なくとも何年も前からこの流れはあったのだと思うのですが、そういう作品が同じ期に重なって凄く顕著に感じたなぁという話。

 

いや、凄い

 

ハーレムモノからメインヒロイン主軸への流れも感じます、というか設定を活かせばハーレムにしなくて良くなったって感じなのかも

今思えば『かぐや様は告らせたい』も同じ系統ですね

ある意味高木さん系もそうかも…

カッコウの許嫁とか、女神のカフェテラスとか、マガジン系やなろう系のハーレム作品はまだ10年前くらいの流れを感じます

でもなろう系のハーレムは異世界設定が活きてて、ぶっ飛んだヒロイン出てきても「異世界だしな…」というのが最初にくるから見てて受け入れやすいかも…

 

同じ期に『山田くんとlv999の恋をする』がありますが、あっちの山田は鈍感系主人公ならぬ鈍感系ヒロイン

逆に主人公の茜ちゃんとライバル(?)の委員長は実存感のある描き方がされてて、やってる事は10年くらい前の流れを逆転させて今っぽくした感じだから、見てて安心感があるというか親しみがあるというか、今度は友達と一緒に山田の可愛さを語っちゃう感じ(笑)

もちろん茜ちゃんが一番可愛いですが!

でも山田は自分から告白してるから鈍感系ではあるんだけどめちゃめちゃ好感持てるんですよね

やっぱりそのあたりの描き方は前に進んでる気がします

 

女子向け?って思われるかもしれないけど、全然そんな事ない、男でもめちゃくちゃ楽しいです!

 

今期は『スキップとローファー』っていう(一応恋愛モノ?)私のちょ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~大好きな作品もあって

memommo.hatenablog.com

感情移入しやすい良い作品が多くなったなぁって感動した話でした

昔の作品の方が面白いという人もいるけれど、価値観の変化と一緒に、色んな描き方も私は前に進んでると思うよ!

 

 

kimisomu-anime.com

bokuyaba-anime.com