気持ちのメモ帳

何故その作品を面白く感じたのか、日々考えた事を忘れないためのブログ。基本ネタバレなのでご注意を…考察はありません、全て妄想です。断言してる表現があったとしても、私は私が考えた事が必ず正しいとは思っていません。

『薬屋のひとりごと』1~3話感想 悠木碧さんの猫猫が控えめに言って最高です

※原作未読、3話(まとめ放送分)視聴段階での感想になります

 

原作の評判が良く、なかなかアニメ化されなかった作品がついに!という事で、しかも今のとこ外れがない「数話まとめ放送&人気歌手採用」というVIP待遇、これは期待するなという方が無理があるレベルの持ち上げよう

当然私の中でもかなりハードルが上がっていたのですが…

 

めちゃめちゃめちゃめちゃ面白かったぁぁぁぁぁ!!

原作人気も納得、というか、凄く今更だけれど、何故今まで原作に手を出さなかったのか…(笑)

 

まず冒頭から「おおっ!!」と思わされる構成

 

畑仕事をする主人公の猫猫(マオマオ)と質素な村

人さらいがあるという話も挟まれ、それを気にもかけない猫猫

通路を一本ぬけた先は華やかな街

 

そこには綺麗な遊女たち

街と町、遊女と猫猫が対比で描かれてるわけですけど、格差のある世界観、猫猫のこの世界におけるポジション、自己肯定感の低さとその理由なんかが開始「1分半」で説明されるわけです、マジで凄い、全体的なテンポ感もめちゃめちゃいいんですよね、飽きさせない構成になってますし、しかも詰め込んだ感じが全くしません

 

腕に毒刺しまくってるっていうのがまたいいんですよ、なろう要素の補強になってますし、この作品の世界観的に古い価値観で話しちゃいますけど、女性なのに見た目を気にしてないっていう

開始数分で土台がしっかり作られてるので、その後が気持ちよく見れます

 

壬氏と猫猫のやりとりなんかが最たる例で、超絶イケメンの彼が猫猫の才能(知識?)に気づいて近づいて来るわけですけど、猫猫の自己肯定感の低さから

「イケメンが自分に言い寄ってくるわけがない」→裏がある→気持ち悪いと変換されていくという

 

僕ヤバの市川くんが似た思考回路

memommo.hatenablog.com

でもお互い関わった事ないような性格だから、良い意味でも悪い意味でも気になる存在

こういう流れがある程度見えてる作品の(なろう系なんかは特にですが)重要な要素の1つって『期待感』だと思うんですけど、この二人の関係が大きな魅力の1つになってますよね

 

『期待感』って話の流れでいくと、毒が効きづらい事で活躍するのも楽しいですし、このへんはまさになろう、成り上がり的な要素も感じられます

 

その毒耐性も成り上がりも根底にあるのは自己肯定感の低さ、それも冒頭でちゃんと説明されてるので、とにかく見てて違和感がなく気持ちいい

 

続きが気になる要素がそこかしこに散りばめられててワクワクさせてくれるんですよね

 

 

あとここは完全にアニメの魅力になりますが

悠木碧さんの演技が!めちゃくちゃ光ってる!!

リコリスリコイルの千束のような感じ!って言えば、きっと通じる人には通じるはず‥(笑

千束より息遣いをもっと重視感じですが

以前ブログで書いたので引用

memommo.hatenablog.com

昔はテレビの中の理想的な存在(を演じる)だったアイドルが、モー娘からドキュメンタリー性が強く押し出されるようになって、AKBの台頭からはそのドキュメンタリー性がさらに強くなって(投票、握手会によって縮まるファンとの距離感、冠番組tiktok等での個人放送が大きな要因に感じる)、身近に感じる、共感出来るアイドルっていうのが主流になっていってる

VTuberなんか実存性の権化みたいな存在ですけど、キャラクターそのものを演者と同一化(性格や身体的特徴をキャラに反映させたり)させる事で、言葉に説得力が生まれて、その可愛いキャラクターがまるで現実にいるような感覚と共感性が生まれる。

Vtuberって見た目やキャラ設定自体は昔ながらのテンプレみたいなのも多いんですけど、その設定に遵守してない人も多いんですよね。

表面だけなぞって、たまに素が出ちゃうみたいな、それが受け入れられて、なんなら大きな魅力の1つになってる。

昔はそれを受け入れるにもガチガチな世界観が必要だったけど、それがVTuberというだけで受け入れられるほど、そういう土台が出来ている。

こういう実存性の高いものが流行ってる、土台が仕上がっているっていうのがある上で、リコリスリコイルの会話ってめちゃくちゃ自然なんです

これ正直見て聞いてください!としか言えないんですけど…(笑)

会話の間に挟まれる「あ~」とか「う~」とか、かぶせ気味の返事とか、テンポ感、こういうのが凄く優先されてて、それこそVTuberを見ているような感覚に近いと思います。今の流行から見ても凄く時代に合っているなと

能力はあるけど(もしくは付与されて)上昇思考がない主人公が強制的に表舞台に連れて来られて無双するっていう、『薬屋のひとりごと』もそうですけど所謂なろうテンプレートの作品の根底にあるものって、今の無気力感というか、縛られたくない、自由に生きたい、辛い事はしたくない、好きな事だけして生きたいって人をどうやったら外へ連れ出せるかって話だと思うんです

この前書いた記事↓

memommo.hatenablog.com

今は娯楽が溢れてる時代なので、YouTuberやプロ選手などのリスクを背負わなくても、仕事の終わりにアマプラを観たり、ゲームしたり、SNSで承認欲求を満たしたり、出世などせず、平社員でそんなにリスクを負わなくても、そこそこ自由で幸せな生活が送れる時代

だからこそ憧れの対象とかじゃなくて、自分に寄り添ってくれたり、等身大で描かれてる主人公が多くて、自分を重ねやすい

ここで今回のような演技がハマってくるわけです

生っぽい喋り方、VTuberが流行ってる理由の1つも個人的にこれがあると思うんですけど、いつもより実存性の高いというか、共感性の強い演技をされてるように感じます

これ聞いててほんと気持ちいいんですよね、あと素が見えるようでめちゃくちゃ面白い(笑)

昔のアニメって次回予告でメタ発言してたりしてちょっとくすってなるじゃないですか、あんな感覚

 

他の主要キャストの方々も実力派の方が多いですし、かなりこの辺は力を入れてるように感じます

 

全体的に大きな柱が中央にしっかり据えられてるような安心感があるので、今後もめちゃくちゃ楽しみな作品です

 

まだ3話!2クール!素晴らしい~!

とにかく猫猫が喋ってる姿を観たいし声を聞いてたい!

 

それにしても時代背景を考えるとだいぶ優しい人達が多いですよね、あとチョコレートが出てきたりとか

でも大枠がラノベなのでその辺の細かい所はあまり気にならないという、なんか色々と上手く使ってる作品だな~って思います

 

今期は楽しいですね、特に水曜影実、木曜呪術、金曜フリーレン、土曜薬屋、日曜シャンフロという神構成、すばら!