気持ちのメモ帳

何故その作品を面白く感じたのか、日々考えた事を忘れないためのブログ。基本ネタバレなのでご注意を…考察はありません、全て妄想です。断言してる表現があったとしても、私は私が考えた事が必ず正しいとは思っていません。

『薬屋のひとりごと』1~3話感想 悠木碧さんの猫猫が控えめに言って最高です

※原作未読、3話(まとめ放送分)視聴段階での感想になります

 

原作の評判が良く、なかなかアニメ化されなかった作品がついに!という事で、しかも今のとこ外れがない「数話まとめ放送&人気歌手採用」というVIP待遇、これは期待するなという方が無理があるレベルの持ち上げよう

当然私の中でもかなりハードルが上がっていたのですが…

 

めちゃめちゃめちゃめちゃ面白かったぁぁぁぁぁ!!

原作人気も納得、というか、凄く今更だけれど、何故今まで原作に手を出さなかったのか…(笑)

 

まず冒頭から「おおっ!!」と思わされる構成

 

畑仕事をする主人公の猫猫(マオマオ)と質素な村

人さらいがあるという話も挟まれ、それを気にもかけない猫猫

通路を一本ぬけた先は華やかな街

 

そこには綺麗な遊女たち

街と町、遊女と猫猫が対比で描かれてるわけですけど、格差のある世界観、猫猫のこの世界におけるポジション、自己肯定感の低さとその理由なんかが開始「1分半」で説明されるわけです、マジで凄い、全体的なテンポ感もめちゃめちゃいいんですよね、飽きさせない構成になってますし、しかも詰め込んだ感じが全くしません

 

腕に毒刺しまくってるっていうのがまたいいんですよ、なろう要素の補強になってますし、この作品の世界観的に古い価値観で話しちゃいますけど、女性なのに見た目を気にしてないっていう

開始数分で土台がしっかり作られてるので、その後が気持ちよく見れます

 

壬氏と猫猫のやりとりなんかが最たる例で、超絶イケメンの彼が猫猫の才能(知識?)に気づいて近づいて来るわけですけど、猫猫の自己肯定感の低さから

「イケメンが自分に言い寄ってくるわけがない」→裏がある→気持ち悪いと変換されていくという

 

僕ヤバの市川くんが似た思考回路

memommo.hatenablog.com

でもお互い関わった事ないような性格だから、良い意味でも悪い意味でも気になる存在

こういう流れがある程度見えてる作品の(なろう系なんかは特にですが)重要な要素の1つって『期待感』だと思うんですけど、この二人の関係が大きな魅力の1つになってますよね

 

『期待感』って話の流れでいくと、毒が効きづらい事で活躍するのも楽しいですし、このへんはまさになろう、成り上がり的な要素も感じられます

 

その毒耐性も成り上がりも根底にあるのは自己肯定感の低さ、それも冒頭でちゃんと説明されてるので、とにかく見てて違和感がなく気持ちいい

 

続きが気になる要素がそこかしこに散りばめられててワクワクさせてくれるんですよね

 

 

あとここは完全にアニメの魅力になりますが

悠木碧さんの演技が!めちゃくちゃ光ってる!!

リコリスリコイルの千束のような感じ!って言えば、きっと通じる人には通じるはず‥(笑

千束より息遣いをもっと重視感じですが

以前ブログで書いたので引用

memommo.hatenablog.com

昔はテレビの中の理想的な存在(を演じる)だったアイドルが、モー娘からドキュメンタリー性が強く押し出されるようになって、AKBの台頭からはそのドキュメンタリー性がさらに強くなって(投票、握手会によって縮まるファンとの距離感、冠番組tiktok等での個人放送が大きな要因に感じる)、身近に感じる、共感出来るアイドルっていうのが主流になっていってる

VTuberなんか実存性の権化みたいな存在ですけど、キャラクターそのものを演者と同一化(性格や身体的特徴をキャラに反映させたり)させる事で、言葉に説得力が生まれて、その可愛いキャラクターがまるで現実にいるような感覚と共感性が生まれる。

Vtuberって見た目やキャラ設定自体は昔ながらのテンプレみたいなのも多いんですけど、その設定に遵守してない人も多いんですよね。

表面だけなぞって、たまに素が出ちゃうみたいな、それが受け入れられて、なんなら大きな魅力の1つになってる。

昔はそれを受け入れるにもガチガチな世界観が必要だったけど、それがVTuberというだけで受け入れられるほど、そういう土台が出来ている。

こういう実存性の高いものが流行ってる、土台が仕上がっているっていうのがある上で、リコリスリコイルの会話ってめちゃくちゃ自然なんです

これ正直見て聞いてください!としか言えないんですけど…(笑)

会話の間に挟まれる「あ~」とか「う~」とか、かぶせ気味の返事とか、テンポ感、こういうのが凄く優先されてて、それこそVTuberを見ているような感覚に近いと思います。今の流行から見ても凄く時代に合っているなと

能力はあるけど(もしくは付与されて)上昇思考がない主人公が強制的に表舞台に連れて来られて無双するっていう、『薬屋のひとりごと』もそうですけど所謂なろうテンプレートの作品の根底にあるものって、今の無気力感というか、縛られたくない、自由に生きたい、辛い事はしたくない、好きな事だけして生きたいって人をどうやったら外へ連れ出せるかって話だと思うんです

この前書いた記事↓

memommo.hatenablog.com

今は娯楽が溢れてる時代なので、YouTuberやプロ選手などのリスクを背負わなくても、仕事の終わりにアマプラを観たり、ゲームしたり、SNSで承認欲求を満たしたり、出世などせず、平社員でそんなにリスクを負わなくても、そこそこ自由で幸せな生活が送れる時代

だからこそ憧れの対象とかじゃなくて、自分に寄り添ってくれたり、等身大で描かれてる主人公が多くて、自分を重ねやすい

ここで今回のような演技がハマってくるわけです

生っぽい喋り方、VTuberが流行ってる理由の1つも個人的にこれがあると思うんですけど、いつもより実存性の高いというか、共感性の強い演技をされてるように感じます

これ聞いててほんと気持ちいいんですよね、あと素が見えるようでめちゃくちゃ面白い(笑)

昔のアニメって次回予告でメタ発言してたりしてちょっとくすってなるじゃないですか、あんな感覚

 

他の主要キャストの方々も実力派の方が多いですし、かなりこの辺は力を入れてるように感じます

 

全体的に大きな柱が中央にしっかり据えられてるような安心感があるので、今後もめちゃくちゃ楽しみな作品です

 

まだ3話!2クール!素晴らしい~!

とにかく猫猫が喋ってる姿を観たいし声を聞いてたい!

 

それにしても時代背景を考えるとだいぶ優しい人達が多いですよね、あとチョコレートが出てきたりとか

でも大枠がラノベなのでその辺の細かい所はあまり気にならないという、なんか色々と上手く使ってる作品だな~って思います

 

今期は楽しいですね、特に水曜影実、木曜呪術、金曜フリーレン、土曜薬屋、日曜シャンフロという神構成、すばら!

【響け!ユーフォニアム】1期8話、久美子に対する高坂麗奈の台詞は何故「愛の告白」なのか

「久美子って性格悪いでしょ?」

「もしかして、それ悪口?」

「違う、これは"愛の告白"」

 

最近短編劇場版で熱が高まり過ぎてしまい、テレビシリーズと映画2本を2周してしまったのだけど、個人的に1.2で争うほど好きな1期8話の麗奈が改めて良かったなぁと感じたので、それに関する私の妄想をば

大吉山でのシーン、久美子に対して放った高坂麗奈の台詞は、何故「愛の告白」なのか

 

2期11話で描かれた麗奈の子供の頃の回想

「麗奈ちゃんには、私の気持ちなんて絶対分からないもん」

「なんでそんな事言うの…?」

「麗奈ちゃんは頑張れって言うけど、私の家、麗奈ちゃん家みたいにピアノないし…!!」

麗奈のお父さんがプロのトランペット奏者で、それで家族を養っていけているレベルの人という前提と、ピアノが家にあったり、楽器を子供の頃から与えられていたりと、そこからある程度お金に余裕がある家庭という事は分かります

 

上記の描写からも努力が出来る環境がある上で、ピアノが上手く、音楽の才能があるという事も(あまりこういう言葉は使わない方がいいのかもしれないけれど…)

プロの奏者であるお父さんや、滝先生含め、周りにはその道の人が多い事も一連の内容から容易に想像出来ます

そんな環境では自分が一番下で、だからこそ自分が出来る事の難しさに気づきづらい

 

また子供の頃は視野が狭いもんです、自分の家庭がどの程度の位置にいるのかというのを考えた言動や行動をするというのは難しい

パンがなければケーキを食べればいいじゃない!ではないですが、努力が出来る環境と才能を持った彼女が、同級生にそれを求めてしまうのは子供だという事を考えればしょうがない事です

そういった事を想像出来ない環境や年齢だからこそ、麗奈の素直な言葉は人を傷つけ、孤立していく

 

そんな自分を肯定するためには、自分は特別なんだと位置づけるしかなかったのだと思います

 

私は特別で、周りとは違う、そうならなければいけない、見下してさえいるかも、だけど、それこそが自分の存在証明だと

 

一人の描写が多い事や言動を見ても友達が多いとは到底思えません…

練習も人一倍して、人と仲良くならない事で自分を説得していた部分もあるのかも…

 

そんな彼女が心を開いた身近な存在が滝先生、年齢もそこまで離れておらず、何より上手い

 

自分の両親にも認められている特別な存在で、だからこそ憧れて、恋へと昇華していく過程は容易に想像出来ます

心を開ける存在というのは、自分と同等・それ以上に上手いか、努力の出来る人だけなのだと思います

 

先日観たアンサンブルコンテスト編で、人の内面より演奏の上手さで人を判断してる描写があるのですが、上記の前提があるとより納得のいく描写になっています

「つばめちゃんがいいって言ったのは麗奈なんでしょう?」

「それはね、実際上手いし」

「じゃあ修一は?」

「同じ、上手いから」

 

ではここから本題、1期8話の麗奈の台詞「久美子って性格悪いでしょ」という台詞は何故「愛の告白」なのか

私自身音楽に精通しているわけではないので、正直作中の演奏はみんな上手く感じるのだけれど…(笑

描写からして麗奈が久美子より上手いとは到底思えません

 

でも麗奈は心を開いた、何故か

 

そもそも麗奈に近づく人間は上記の事もあり少なかったのだと想像出来ます、特別な存在になりたい、それは孤独になることの=でもあって

 

そんな中、中学最後の大会で事は起こった

「本当に全国行けると思ってたの?」

ダメ金の悔しさに泣いている麗奈に対し、久美子の見透かしたような発言

心の奥底では思ってたとしても口には普通出さないし、気づかないようにする事を平然と言ってのける久美子パイセン、痺れるけど憧れない

 

1期の冒頭を見ても、この二人中学の段階では友達ですらなかった事が分かります

そもそも麗奈に近づいてくる人間というのが稀だったのに、1段も2段も飛び越えて心に踏み込んで、踏み抜いてきて、そんな彼女に興味を持った

「でも私、久美子のそういう所気になってたの、好きっていうか、親切ないい子の顔して、でも本当はどこか冷めてて、だからいい子ちゃんの皮、ペリペリってめくりたいなって」

「それはどういう…」

「分かんないかな、私の愛が」

 

 

誰かと交わらず、孤高である事すら自分の背中を押す事になってたのだと思います

そんな彼女が他人に興味を持って、自分の存在証明をかけた生き方を捻じ曲げて、踏み込んで、問いかけるのです

久美子って、性格悪いでしょ?

 

愛の告白、まさにそうだと思います。

 

2期11話で滝先生の奥さんが自分と真逆な性格だと知った後、それでも自分を貫いた麗奈

表情を変える事もなく、音が乱れる事もなく、むしろそれまでよりも力強い音を響かせていた

そんな彼女が自分のスタイルを捻じ曲げた数少ない描写が、この1期8話の久美子との会話です

その後の二人の尊さを表すめちゃくちゃ良いシーンで、本当に何回見てもエモいですね…

 

本人の自覚があるかは置いといて、久美子への意趣返しにもなっている所も好きです(笑)

 

来年の春からはアニメ3期も始まり、アンコン編の描写から波乱の予感は大いにしますが、また二人の尊いシーンが見れそうなので、ほんとめちゃくちゃ楽しみです!

anime-eupho.com

『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』自由が第一の価値観

7話観た後に書いてます!

天道と三日月の再起、めちゃめちゃ良かったね、思えば名前が関係を表してたのか

 

この作品「自由が一番」って価値観が上手く描かれててとてもいい


世界の破滅よりも会社に行くほうが辛いって感覚

 

なぜYouTuberがなりたい職業1位だったのか、出世を目指す人が減ってるなんて記事も良く見かけるけれど、そういうものの根底にあるのはこの価値観だと個人的には思う


自由になりたいって昔からある感覚だと思うけれど、自由になる方法が今と昔では変わってきてるという話で、圧倒的にその方法が増えてきて、増えてきた事でこの感覚を持つ人も増えてきた

結論的には両方ともお金を得るというのが自由になる一番の近道だと個人的には思うのだけれど、そのためには上の文脈で言うと昔は出世が必要だった

でもYouTubeSNSなどの台頭で、出世っていうレールに乗らなくても、自分の好きな事でお金を得る手段が出てきた

好きな事がお金に繋がれば自由になる

実際には好きな事だけでお金を得られるほどYouTuberも簡単な事ではないのは少し調べれば分かる事なのだけど

さらに大衆化したものはルールが厳しくなっていき、自由ではなくなっていく

レッドオーシャン化とか、それに伴う収益減とか、そういった現実が浸透してきてか、最近なりたい職業1位が会社員になったという話があったけれど

yorozu-do.com

今は娯楽が溢れてる時代なので、YouTuberやプロ選手などのリスクを背負わなくても、仕事の終わりにアマプラを観たり、ゲームしたり、SNSで承認欲求を満たしたり、出世などせず、平社員でそんなにリスクを負わなくても、そこそこ自由で幸せな生活が送れる時代

先日観た映画『春に散る』や『FGO2部7章』『MUSICUS』や『メイドインアビス』などで描かれてる、人生で何を残すかって点においても、推し文化が出てきた事で自分の夢や目標も、誰かに託しやすくなった

極端なこと言うけど、推し文化は多かれ少なかれ少子化を加速させてると思う(笑)

もはや家族にだって縛られなくていい、結婚する必要はないし、自分の生きた証は子供でなくとも推しが残してくれるのだ、実際はそうではない事が多いのだけれど、そう錯覚させてくれる、でも、永遠には続かないからその先には破滅が待ってる事が多い

 

まあ何がいいたいって、たぶん今の多くの人の根底には自由が一番って価値観があるよねという話

 

ゾン100の描かれ方はYouTuberが1位躍り出てた時の感覚に近いので、会社員が1位に舞い戻ってきた今、というかこれからはどんどんズレていく気がする

これ今観ないと全力で楽しめない作品だと思うので、気になる人は『今』観るのがオススメです!!

『人間一人では生きていけない』を実感した話

2ヶ月ほど前、わたしの職場に沖縄からKさん(仮称)という人が転勤してきた、20年選手の大ベテランだ

詳細は分からないが、噂によるとどうやら向こうでトラブって実家のあるこちらに来たらしい

 

嵐の予感…?と身構えたものの、そんな噂とは違い、第一印象は笑顔で凄くいい感じだった

仕事もそつなくこなしてる

 

かのように見えた

 

問題が発覚するまでにそう時間は掛からなかった

飾らない言葉で言おう、超テキトーなのだ

 

お客様に対しての態度も、言葉遣いも、仕事に関する知識も、なにもかもが

 

毎日のように起こるお客様とのトラブル

本人も謝っているし、慣れない環境だ、みんなも「しょうがないよね」と、もちろん注意はするが、もっと言いたい言葉は飲み込んでいた

 

だが問題はそれだけではなかった

Kさんが来てから度々本社から電話が来るようになった

うちの店でパワハラの報告がこれまた毎日のように上がっていると

 

誰が内部通報をかけているのか、かなり大きな会社なので匿名性は守られている、だが、状況から言ってKさんなのは間違いない

 

何故なら、Kさんが配属された部門の全員(Kさん以外)が内部通報で名前が上がっているからだ

 

どうやら自分の失敗に対し、注意をしてきた人間を片っ端から内部通報しているらしい

 

愕然とした、それと同時に沖縄でのトラブルにも納得がいった

 

そこからはKさんに対し、必要最低限な仕事の話を除いてほぼ全員が何も言わなくなり、離れていった

 

 だがその状況に本人は気付かないし、誰も教えてはくれない

 

それに反してKさんの態度は日に日に大きくなっていく、どうやら自分は仕事を出来ると思っているようで、新人に対しては特に酷かった

「俺が出世しないこの会社はおかしい」「何か起きたら内部通報をすれば嫌いな上司は飛ぶ」「お前はもっと頑張れ」

とまあ、そんな事を言っているらしい…

 

なんやかんやで今月、あまりにトラブルが続いたため、沖縄の件も相まって、別の店舗へ移動が決まり、平和が戻ってきたわけだが

 

この一件はとても勉強になった

 

人はこうやってズレていくんだ、と

 

前の会社の上司に言われた覚えがある

「何も言われなくなったら終わりだよ」

当時は「注意なんてされない方が良いじゃないか…」と言葉の意味を理解してなかったが、今はとても実感している

 

結局自分の姿は自分には見えづらいのだ

「世間」や「常識」との付き合いっていうのは生きている限り避けられない

でもそれに明確な答えはなく、日々変わっていく

ここのピントを合わせるために、人との付き合いが大切になっていく

 

今自分はどういう立場に置かれてるのか、周りからどう見られているのか、身だしなみもそうですね

 

Kさんのように謙虚さがなくなり、人からの意見を閉ざし続けた結果、知らずのうちに周りから人がいなくなり、そして自分すらも見えなくなっていく

 

こんなに恐ろしい事はない

 

そうやって考えていくと、結婚の大切さも良く分かる、自分以外の価値観を持った人間が身近にいるという事はとても大切なのだ

別に結婚じゃなくてもいい、友達でも、同僚でも、家族でも

 

Kさんがいる間仕事は大変だったけれど、ある意味これも良い出会いだったかもしれない

今身近にいる人やこれから出会う人は大切にしていかなければと、改めてそう思わされる出来事だった

今季のアニメ『わたしの幸せな結婚』がめちゃめちゃ面白いー!

※アニメ7話観た時点での感想になります

 

友達にオススメしてもらって観始めたのだけれど、なんで今まで観なかったんだー!と後悔したくらいには面白いので、まだ観たことない人には是非オススメしたい!

タイトルからは想像出来ないまさかの異能要素あり

 

序盤の流れはシンデレラを日本版にしました!という感じ

母親が亡くなって、父親が再婚、新しく生まれた子供には才能があり、才能のない主人公は家族から酷い扱いを受けるように

そして半ば追い出される形で嫁いだ先は、酷い噂の絶えない久堂家だった…

 

 

1話から全体的に暗い展開が続いてて、主人公の美世は名家の長女であるにも関わらず使用人のように扱われてるし、イジメられ過ぎて色々絶望しちゃってるし、優しくしてくれた男の子は感じ悪い妹に取られるし…もう終始『ずーん…』という効果音が聞こえてきそうな感じで、派手な展開があるわけでもないのだけれど、それがまためちゃめちゃ面白いんですよね!

 

これなんでかっていうと1話の内容に対して、タイトルとキービジュアルは幸せに満ち溢れててギャップが凄い


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だからこそ「この子はこれから幸せになるんだ」っていう、そこから来る期待感がワクワクを増幅させてくれて、主人公がどん底に落ちれば落ちるほど面白く感じていくと

 

原作がなろうなのもビックリしたのだけど、確かにな~と思ったのは、なろう系は特に話の流れをタイトルで説明してる作品が多いじゃないですか、それを上手く使って辛い序盤も読者が乗り切れる形にしてあって、タイトルの付け方がめちゃめちゃ上手いなぁと

 

また主人公の美世が嫁ぐ事になった久堂家当主の清霞様、もうなんか私も思わず様つけちゃうくらいの超絶イケメン&当代随一の能力者というのパーフェクトヒューマンなのだけれど

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上でも書いた通り、評判がすこぶる悪い

冷酷無慈悲、今までの婚約者は全員逃げ出した等々

 

実際美世が嫁いできた翌日に朝食を作っても

「毒でも盛ったか…分かりやすい事だ。こんな何が入ってるか分からない物は食えん」

と一切手を付けない始末

 

噂通りじゃないか!!美世の幸せな結婚はどこ!?と一瞬思うのだけれど、その後の

今までの婚約者も、ほとんどが最初から金や権力が目当ての女ばかりだった

という台詞でそれまでの描写も相まって行動に納得出来るんですよね

名家のはずなのに人里離れた立地、質素な家、たった一人の少ない使用人、お風呂とか当主なのに自分で沸かしちゃうし…

人を信用出来ない何かがあったのだと想像出来ます、こういう作品、時代背景だと名家同士のごたごたとかあるあるですしね

美世をイジメていた妹の香耶が欲深なTHEお嬢様!という感じなので、清露様に嫁いできた女性達がどういう人達だったのかというのも想像出来ます

 

そしてこの世界での美世の異質さも

 

今まで嫁いできた女性達とは真逆の存在である美世は、清霞様にドンピシャでハマっていくわけです

 

上に書いたように清霞様もただ優しいだけ、冷たいだけというようなシンプルな性格なのではなく、背景の部分がしっかり考えられ実存感が増しているからこそ、当初出会った頃の冷たい感じからどんどん変わっていく様子も自然と受け入れられますし、感情移入もしやすい

 

そして普通に生きる事すら許されなかった、欲なんて持てるはずのなかった美世だからこそ、清霞様の信頼を勝ち取っていくと

 

このあたりの詳しい流れは是非本編を観て欲しいのだけれど、まあ〜エモい!!

 

美世が少しずつ笑顔を見せていくようになるのがグッとくるんですよ…幸せになってくれ〜〜〜!!f:id:pottyari5963:20230821130321j:image

 

あと1話のラストに幸先の良いはじまりを象徴する桜と清露様を一緒に映るのだけど、この辺りの描写も凄く意味を持つものになっててエモイですし、また清露様が美世のために買ってきた着物が桜模様ってのがまたこうクッソエモイ!!

なんかもう…色々最高です

 

6話までがまさにシンデレラのような流れで掴みの部分といった感じだったので、7話以降が恐らくこの作品の個性になるのであろう異能の部分が本領発揮されそうな予感

美世の血筋とか、能力、少しだけ話の出てた異形とか

 

どうなるのかな〜今後も凄く楽しみな作品です!

『響け!ユーフォニアム 〜アンサンブルコンテスト〜』 感想

最高だった…最高だったよ!!

 

京アニの事件が起きて、へたしたらもう続編作られないんじゃないかと思っていた時期もあったけれど、観る事が出来て本当に良かった…京アニさん…ありがとうぉぉぉおおおおおおおおお!!

 

私は自分で思ってた以上にこの作品が好きだったらしい

黄前ちゃんと麗奈、冒頭2人が何気ない会話をしてるシーンでうるっと来てしまった…

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以下ネタバレ注意

 

内容的には3期に向けてのキャラ紹介と、黄前ちゃんが部長になった後の様子が描かれてるのだけど

 

冒頭ミーティングでの黄前ちゃん演じる黒沢ともよさんの演技が初々しさというか、固さ、部長にまだ慣れてない感じがとても良く出ててこれが凄くいい!!

 

本編通して自分の部長としての在り方を少しずつ見つけていくわけだけど、冒頭のこの演技のおかげでそれが際立って感じるんですよね

 

『スキップとローファー』のみつみちゃんもそうなのだけど、黒沢ともよさんの演技は私に刺さり過ぎる…最高です、これからも応援してます!!

 

まあもうあとは終始「くみれなてぇてぇ…てぇてぇよ…」ってうるっていたわけだけど、アンサンブルコンテストどっちから誘うのかってあの空気、たまんないw

結果的には麗奈から誘っていたわけだけど、黄前ちゃんも言っていたように、私も「ここで誘うんだw」とびっくり、後の台詞でもわかりますけど、内心はドキドキだったんでしょうね

 

だから傷つかないために、何気なく、それとなく、タイミングを外して

 

麗奈…可愛い過ぎない…!?

 

黄前ちゃんも部長としてあぶれた子のためにとか言っておきながら麗奈からの誘いを待ってたのも可愛い過ぎて…

 

歌います、仰げば尊し

 

この2人の関係と何故誘ったのかって辺りの話も3期にも深く繋がって来そうな雰囲気だったので、めちゃくちゃ楽しみだ!

 

1期2期劇場版と観てきて3期を観る予定の人にはぜひおすすめしたい作品です

視聴必須ではないけれど、観ると感情移入の度合いが変わってくる感じ

2期5話のような演奏シーンがあるわけではないので、そこを期待するとちょっとがっかりするかも…

本番は3期で、期待です!

個人的には大満足の作品でした!!

 

入場者特典が欲しかったので今回は一人行ったけれど、今度は友達ともう一度行く予定

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ちなみに一番欲しかった夏紀&奏をゲット!

この2人もめちゃくちゃ好き…映画でも絡みが観れて良かった(´;ω;`)

奏、夏紀先輩の所にいくって知って絶対着いてきた感じだよね、可愛い過ぎか…!

『アイドルマスター シンデレラガールズ U149』感想 子供を、アイドルを描く事に真っ直ぐ向き合った作品

異世界モノを描くのとリアル準拠の世界観では、同じ事を描いたとしても、それを見た時の印象や感想は当然だけど変わってくるわけで

 

アイドルマスターはもともと取り扱ってる題材や、リアルライブをしていく上で、どうしても世界観がリアル準拠に描かれる事は、これまでもそうだったように(なおゼノグラシア)避けられないと思うんです

 

U149アニメ化するよー!と最初に知ったのが秋葉原にあるアトレの広告だったのですが、それを見ながら最初に思ったのは「今の空気感で子供のアイドルがメインの作品ってなんか批判されそう…」って事でした

「子供にこういう仕事させるのってどうなの?」という

 

ここ10年くらいは特にこのあたりの感覚って厳しくなっていったように感じます

2014年に改正された児童ポルノ禁止法からなのか、はじめてのおつかいが海外では衝撃だったという話もありましたね、海外では治安の問題で子供が一人で出歩いてたら事件に巻き込まれる事が多い、だから一人で行かせるなんて考えられないという

記事あった

realsound.jp

そういった事もあって海外では特に子供は守るものってイメージが強いらしい

だからこそネットの普及から価値観が世界も含め均されていったのか、他に要因があるのか、分からないけれど

私が感じるだけで、そうじゃないかもしれないけど(笑

まあ、個人の感想妄想として読んで頂ければ

 

今の時代配信は日本だけじゃありません、じゃあ、子供のアイドルしか出ない作品をアニメ化するよーという時に、その価値観を無視するわけにはいかないって考えがあったんだと思うんです

 

1話の冒頭、彼女たちの所属する事務所の課長や部長の会話

「第3芸能課…急に言われても困るんだよなぁ…」

「去年末のライブの時も、会長の思いつきでえらい目に遭いましたからね」

「まずいよなぁ…まだ小学生でしょ?」

「下の子なんか、うちの娘と同い年ですよ」

冒頭からそこを拾っていくぜ!という宣言

 

さすが、さすが岡本監督!!と

無職転生の監督だったので期待はしていたのですが、ここで一気に引き込まれました

 

この台詞だけでも今後の彼女達がどういう流れになるのかがわかるわけです、当然仕事は少ない、制限もある、ライブだって気軽に出来ない、そもそも事務所全体が乗り気じゃない

1話の冒頭でこれをどう乗り越えていくのかという流れが打ち出される

 

話を通して主人公、プロデューサーは彼女たちを子供ではなく、一人の人間として見ていくようになるわけですけど、このあたりの描き方が凄く上手くて、解決方法が一緒に考えるスタンスなんですよね、主人公が新人プロデューサーというのもあって何でも上手く出来るわけじゃない、この設定も凄く活きてるなぁと思うのですが、そんな彼が彼女達を信頼しているからこそ、子供ではなく、一人の人間として向き合った解決をしていく

 

各回印象深いものが多いけれど、3話の赤城みりあと11話の橘ありすの回は特に印象的です

生放送のコメント欄が荒れてしまうものの、それをなんなく笑顔で受け止めた赤城みりあ

プロデューサーに「怖くなかった?」と問われ、実は怖かったんだと告白する場面

「でもみりあ、みんなが楽しくないと嫌なの、だからプロデューサーも笑って!」

個人的に子供と大人の違いって心で思っている事と違った行動が如何にとれるかというのが1つあるように思います、理性的かどうか

それまでの描き方は凄く子供なんです、でもラストにギャップを見せて来てめちゃくちゃ心打たれるんですよね

ああ、この子は私が思っているよりもずっと考えているんだなって

 

11話の橘ありすの回はその逆です

今まで大人のフリをして、家族にも仲間にも本音を出せずにいた橘ありすが、心の内を見せる回

両親にアイドルデビューする事を告げられず、悩んでいる橘ありすが、今度はプロデューサーの涙を見て、大人も自分と同じ一人の人間なんだと気づく

自分にも見せられないものがあるように、大人もそうなんだと、ここから両親やプロデューサーに対して向き合い方が変わっていきます

「たしかに俺、大人のくせに橘さんより子供っぽいし、頼りない所ばっかりだけど、大人だからさ、応援したいんだ、夢を諦める所なんて、見たくないから」

「橘さんの夢は…大きくなったらどんな大人に…いや大人と子供って何が違うのかな」

子供だと思ってた赤城みりあは大人顔負けな対応を見せて、自分よりも大人な言動や理解を示していた橘ありすは子供らしい一面を隠していた

 

スキップとローファーの最終回でも描かれていましたけど、子供って意外と空気を読む

私も喧嘩の多い両親だったから当時考えていた事は印象深くよく覚えてますし、姉の子供の話…は姉に怒られそうなので割愛…

まあ、そういう事もあって個人的にこの描き方は凄く納得出来ます

 

そんな彼女達は冒頭にあったように事務所の意向でなかなか大きな仕事をさせてもらえない

 

「子供にこういう仕事させるのってどうなの?」というこの感覚の裏にあるものは

・自分で判断が難しい年齢の子たちを大人が食い物にしてるんじゃないか?

・子供は守るもの

大きくこの2つだと思います、事務所に関してはそれに伴った世間体というのが一番大きな理由だと思いますが

 

 

じゃあこれだけ考え、悩んでる子達に対して、彼女たちの持ってる夢から遠ざける行為というのは、それは守ってると言えるのか、夢を潰してるんじゃないのか?と

 

最終回、会長とプロデューサーの会話

会長「ここまで来るの大変だったでしょう?私も応援したんだけどね、やっぱり殻に閉じ込めたがる人達もいるから。子供だからと危ない事から遠ざけていたら成長の機会を奪ってしまう。可愛い子には旅をさせよ、だよ」

プロデューサー「はい、でも、閉じ込めるんじゃなくて、守ろうとしるんだって今は思えるんです。確かに子供だからってなんだよって思う事たくさんありました、もっともっと広い世界で活躍できるのにって。だけど俺が思ってるよりずっと大変だったんです、アイドルをやるって。だから俺自身が成長してもっとたくさん教えてあげられるようになりたいんです、皆がつまずいた時、一人でも立ち上がれるように」

いつだってキラキラで、ファンに夢を見せるのがアイドルですから!

CLANNADで夢を諦めたんじゃない、子供に夢を託したんだという台詞がありましたけど、アイドルの本質ってそこだと思うんです

頑張ってる姿を見て自分も元気を貰った、だから応援したい、夢を叶えて欲しい

私も乃木坂が好きで2016年から5年ほど応援してましたが、その理由だって年の近い子達が頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思えたからです

 

危ない所から遠ざける事も重要ですが、でも夢を持ってる子達に対して大人が出来る事は遠ざけるだけでなく、努力出来る環境を作って上げる事じゃないのかって、この結論は凄くグッと来ました。

 

私自身も楽しみにしながら心の奥底では『どうなの?』って思ってた側の人間になってしまっていたので、この話にはぶん殴られた気分です

 

 

生きていく上で夢や目標は大切です、それを潰すような世界にしてはいけないと

 

子供だけのアイドルという雑念が生まれそうな作品を、それすら糧にしてアイドルモノへと昇華させた熱い作品だと個人的には感じました、いや素晴らしかったです!!

 

これまた同じクールに『推しの子』があるのがめちゃくちゃ対比になってて面白いのですが、長くなるのでまた別の機会に

 

今年はミリマスとシャニマスのアニメ化もあるので、こっちもめちゃくちゃ期待です!

アイマスのアニメ外れなさ過ぎない?


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