2期のラストが個人的にめちゃくちゃ刺さったのと、それがmusicusや、ポンポさん、すずめの戸締まり等、2022年に観た色んな作品と繋がっていたので、そのまとめ
ちなみに1期と映画の感想はこちら↓
では本編
2期最終話、ワズキャンの台詞
我々はね、人以上のものになりたかったのさ
この大穴を穿つには人を越えなければならない
奈落の住人として成れ果てること
祝福され力を得ること
呪いに打ち勝つ体を持つこと
そのいずれでもない
積み重ねだけだ、それらの積み重ねだけが、人を人以上たらしめる
途方もない年月を奈落と寄り添い、培った強かさが、果てを目指す好奇心と純粋さが、導かれた申し子が混ざり、継いでいった積み重ねだけだ
今、その末端にいるのが君たちであり、そして、道を決めようとしているファプタだ
叶わない夢より恐ろしいものが、黄金の先で待つ
せめて夢を叶えて、絶望しておくれ
すっげー臭い事言いますけど
メイドインアビスって人生そのものを描いているんだと思ってます。
生と死を、普遍的に、平等に、容赦なく、それを描く事によって、生きるというのはどういう事かのかを描いている
その一つの答えが黄金郷、というかアビスそのもので、ワズキャンの口から語られた言葉なんだと思います。
MUSICUS!の楡さんというキャラの
生きる事に意味なんてない
だが価値を作る事は出来る
という台詞がありますけど、ワズキャンが言っていたのはまさにこれで
じゃあその価値って何?となった時に
メイドインアビスで言えば奈落の底を目指すこと、新しいモノの発見、まだ見ぬ何かを見つけること。
最近の私が見てる作品の文脈で言えば、死んだあとも残り続ける何か、作品を残すこと
子供を作る事なんかがわかりやすい、というか本来の在り方かも
生きてきた証を積み上げて、誰かの心に残り続ける、それが価値
そしてその価値を継ぐ者、メイドインアビスならリコやファプタが現れる事で、積み重ねが続いていき、さらに価値が生まれる。
じゃあ、価値を作るには何が必要なの?と、ここで私が思い出したのが映画大好きポンポさんのジーンくんの台詞
捨てたものが足りない
仕事では時間を、人によっては健康や安全も、人生かけてる人も多いです。
ヲタクは作品と、自分と向き合う事で、社会性を捨ててると思ってるんてすけど(笑)
この何かをかけて、価値を作り上げていくというのが、ワズキャンの言う積み重ねなのだと。
積み重ねのないものは価値が少なく、人間の姿で黄金郷にいる事が価値が高いように、代償にしてるものが多いほど価値は高い
下層にいける冒険者ほど笛のランクが高いのもわかりやすい設定ですね
Twitterを見てて感じますが、結局何を言ってるかじゃなく、誰が言ってるかが凄く重要ですよね、同じ事を言ってても有名人と一般人では反応が違う
これ仕事の後輩によく言う言葉なんですけど
これまでのあなたを見た結果として褒めたり注意したりしてる、だから大切なのは普段からの積み重ねなんだと。
良い事しても普段の積み重ねが悪いと褒められませんし、逆にミスしても普段が良いとそんなに言われない。
大切なのは一時的な何かをするのではなく、時間をかけて、自分をかけて、何かを続けていく事が価値になるんだと。
ただどれだけその価値を積み上げても、命ある者の向かう先、死っていうゴールは変わらない
ワズキャンのいう絶望というのは、そういう事なんだと思います。
じゃあ、何で死が待ち受ける世界で私達はこんなに必死で生きて、価値を積み上げていくの?という話になった時に
すずめの戸締まりとメイドインアビスの世界の描き方とか、MUSICUSのライブシーンのキラメキとかを見てると、全部同じ結論にたどり着いてると感じるんですけど
だって、この世界はこんなにも楽しくて、美しくて、ワクワクするじゃないか!って
だから、せめて夢を叶えて絶望してくれと言うワズキャンに対して
あなたの言う通りになんかならないよ!
というリコの台詞は、そうやって考えると、もう、なんというか、納得しかない
これたぶん一昔前の作品だったら、友達や家族、仲間のために世界を守るんだー!とか、そういう誰かのためにって話になると思うんです。
なろうの流行もそうですけど、娯楽が溢れてて、コロナもあり、凄く個人的な時代になったからこそ、こういう結論にたどり着くのかなと。
個人的にめちゃくちゃ刺さるラストで、本当に、素晴らしかったです。
メイドインアビスを好きな人は
MUSICUS、四月は君の嘘、映画大好きポンポさん、すずめの戸締り、この辺の作品も一緒に見ると凄く面白いと思います
2022年の私の主軸です、是非、オススメです