気持ちのメモ帳

何故その作品を面白く感じたのか、日々考えた事を忘れないためのブログ。基本ネタバレなのでご注意を…考察はありません、全て妄想です。断言してる表現があったとしても、私は私が考えた事が必ず正しいとは思っていません。

FGO第2部7章感想 未来へ繋ぐ価値

■第2部で描かれたもの

2部7章は一つの区切りに相応しい熱いシナリオでした…!!



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長年ファンに愛されてきた(?)ORTの登場と、それに相対するは、これまで育ててきた全サーヴァントという両者総力上げての一大決戦

弱いサーヴァントでも活躍出来る仕様になっていて、ラセングルさん良い仕事するなぁと感動してました

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色々と話したい所はありますが、今回個人的に凄く刺さったのがディノスの生き様…というか選択です

7章は第1部のアンサー、マシュの生き様を肯定するお話だったように感じました。

 

FGO第2部7章にて描かれたディノス達は、憎まず、妬まず、争わず、平等で、完璧で、だからこそ停滞していて、閉じられた世界の中で全てが終わるのなら何をしても意味はないと、ただただ死を受け入れるのみだったわけですけど

だけど、マシュと藤丸達があの世界に飛び込み、彼らの冒険譚と、彼らを支え、その果てに消えた仲間たちの生き様をディノス達が聞いた事で、二人の物語に自分の人生を乗せる事の意味を知った。

 

マシュにとって終わりへ向かう旅だった第一部が、第二部は未来へ向かうための旅に変わってるわけですけど、その未来へ向かうというのはマシュや藤丸だけではなく、ディノス達はもちろん、これまで彼らが背負ってきた仲間たちも一緒に

 

ここで初めて、ディノス達は自分の人生の"価値"を知ったわけです

 

この話をしてると第1部のロマニとマシュの台詞を思い出します。

ロマニ「意味を持たないまま、人間は産まれ、そして寿命を迎える。

そうして終わった時にようやく、その生命がどういったものだったのか、という意味が産まれる。これを人生というんだよ、マシュ。

僕らは意味の為に生きるんじゃない。生きたことに意味を見出す為に生きているんだ。」

 

マシュ「確かに、死が約束されている以上、生存は無意味です

わたしは貴方の主張を否定する事はできません。

……でも。

人生は、生きているうちに価値の出るものではないのです。

死のない世界。終わりのない世界には悲しみもないのでしょう。

でも、それは違うのです。

永遠に生きられるとしても、わたしは永遠なんて欲しくない。

私が見ている世界は、今は、ここにあるのです。

……たとえ、わたしの命が、瞬きの後に終わるとしても。

それでもわたしは、一秒でも長く、この未来を視ていたいのです。」

限られた人生の中で精いっぱい生きたからこそ、人生に価値が生まれる。

そしてその価値はマシュと藤丸が未来へ繋いでいく。

第1部で死が目前に約束されてる中で精いっぱい生きたマシュの生き様を肯定し、そして、"未来へ向かうための物語"である第2部の区切りに相応しい物語のように感じました。

 

少しずれるかもですが、お世話になった父方のおばあちゃんがこの前90歳になったり、見てる作品の影響か、最近終わりを意識するようになりました。

そうなった時に吉宗さん(マブラヴの原作者)が生放送で言っていた「恩送り」や「後悔する前に言いたい事は伝えろ」という話を思い出します。

ここ最近は訃報も多く、特に黒崎真音さんは私が想像していた以上に心に来るものがありました…

私の青春時代は黒崎さんの楽曲と共にあったと言っても過言ではありません。

今になって最近ライブに行けてなかった、もっと追っていればと後悔するばかりで…

 

つまり何が言いたいかって、人は大切なものがなくなった時に初めて、それが自分にとってどれほどの価値があったものなのかを知るんだと思います。(失くす前に知る事が一番大切ですが…たぶん自分とかなり向き合わないと難しい)

 

私の大好きな作品、映画大好きポンポさんや四月は君の嘘ハケンアニメ等々、クリエイターの生きざまを描いた作品には「失う」事で自分を見つめ直す描写が多く描かれています。

これは大切なものを失った時に初めて自分の感情を明確に知り、それを作品に乗せる事で、自分の気持ちが乗った人の心の奥深くに刺さる作品が出来上がるんだ、という勝手な解釈をしているんですけど

 

失う事で生まれる価値を作品に乗せているクリエイター達とその読者

FGO第2部7章で描かれたディノス達と、その生き様を未来へ繋ぐ藤丸(プレイヤー)とマシュ

私が色んな作品で繋がりを感じていたものが、FGOでも同じく描かれているように思えて凄く面白かったです。

まあでもこれ、自分が読みたいように読んでいるだけなんでしょうけどw

 

この文脈は以前MUSICUSのブログでも話したので、気になる人は是非

MUSICUS、ちょーオススメです!

memommo.hatenablog.com

 

ちなみに魔女っ娘姉妹のヨヨとネネっていう、私の大好きな平尾隆之監督の作品があるんですけど

 

死ぬことがない魔法の世界から私達が生きる世界に転移してしまった魔女っ子のヨヨさんが、ある出来事から本当の意味での死を知り、限られた生の中で必死に生きる人々を見て、失う故の尊さや美しさを知るっていう作品で、今回のFGO第2部7章と通じるものがあります。一緒に観ると面白いかも。配信がないから観るの難しいかもですが…名作です、オススメ。

 

■生きていく上で必要なもの

生きる事に何も必要のなくなったディノス達が好きだったものがサッカーと藤丸達の冒険譚

今後私達の世界も、AIや機械の進歩でどんどん仕事が減っていくと言われてますけど、そうなった時に大切なのは何なのか

吉宗さんが以前物語はこれからも必要になるという話をしていましたけど、奈須きのこさんが描いた第2部7章から同じメッセージ性を感じ、こういう仕事をされてるので当たり前なのかもしれませんが、やっぱり物語の力を信じてるんだなと。

 

生きていく上で必ずしも必要ではないものが、何もしなくて良くなった時に大切になる

前期まで放送されていたDo It Yourself!!というアニメが、アナログとハイテクどちらも大切なんだ!という作品でしたけど、この辺も同じ文脈を感じます。

memommo.hatenablog.com

 

私の両親も仕事をしなくて良い年齢になって家で楽しんでますけど(仕事は少ししてますが)、最近はネットフリックスやアマプラで色んな作品を見るのが一番の楽しみらしい。

あれが未来の形のような気がしますね、物語ってめっちゃ重要だと私も感じます。